船舶
“水都大阪”と聞いて、この市営渡船を思い浮かべる方は少ないかと思います。
しかし、運河の多い大阪では、住民の足として現在でも無料で全8ヶ所渡船が運行されています。
今回は、2日に分けて8ヶ所あるうちの5ヶ所を自転車で乗船してきましたので、ご紹介します。
▲落合下渡船で運行されている“みどり丸”、オーソドックスな小型船。
スタート地点は、木津川の中部辺りを航行する落合下渡船。
上流側には落合上渡船、下流側には千本松渡船が運航しており、目を凝らすと見ることができます。
昔はここを含め、小型船はオレンジ色の船舶だったのですが、いつしか木津川渡船だけに・・・。
1日目のラストには、新木津川大橋の下を運航する木津川渡船に乗船しました。
ここの渡船は距離が特に長く、船も大型で船内に長椅子が設置された特別仕様になっています。
現在は“松丸”が運行中ですが、2枚扉を持つ“第二松丸(旧・松丸)”も予備船として停泊しています。
2日目は、再び落合下渡船に乗船してから、初乗船となる甚兵衛渡船に乗船しました。
ここは、現存する渡船でも唯一人名が名付けられ、寛永年間に登場するほどの歴史を持ちます。
訪問時、メインの“きよかぜ”の他、予備船の“すずかぜ”と天保山渡船の“桜”が停泊されていました。
▲千歳橋の下を運航する千歳渡船、上は市バス87号系統が通る。
甚兵衛渡船の乗船後、なみはや大橋で大正側へと戻り、千歳渡船に乗船しました。
千歳渡船は、中でも最も歴史が浅く、千歳橋が完成してもなおかつ運行が続けられています。
見た目こそは小型船と似ていますが、船体の長い大型の“ちづる”で運行されています。
▲対岸までの距離が8ヶ所のうち最短の船町渡船、急カーブを描いて進む。
2日目のラストには、現存する渡船の中で最も距離の短い船町渡船に乗船しました。
短いなら不要かと思いますが、ここから橋まではかなりの距離があり、この渡船がないと不便です。
しかし、渡った先には製鋼所しかありませんから、運行時間は朝夕ラッシュ時に偏っています。
昔に比べ、川辺の造船所や鉄工所の数が大きく減り、同時に利用者も減ってしまったように感じます。
しかし、運河に橋の少ない“水都大阪”には、この渡船の存在が不可欠となっています。
今後も厳しいかと思いますが、市民の足として、大阪名物として運航して頂ければ、と思っています。
投稿者:てぃぐり